トラ 仲合、同盟会話
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仲合会話
中原の飴細工
私は人数が一人足りない事に気づいた。
無剣:あれ?トラちゃんは?
手分けをして探そうとした時、
小さな人影がこちらに向かって走ってくるのが見えた。
トラ:おーい!無剣!戻ったぞーーー
無剣:トラちゃん!一体どこに行ってたの!
トラ:あれ?怒ってる?ごめん……
トラちゃんは叱られた子供のように、しょんぼりと俯いて耳まで垂れている。
そんな顔を見てしまったら、それ以上怒る事が出来なくなってしまった。
無剣:怒ってないよ。
この辺りはどこにでも魍魎がいるから、トラちゃんにもしものことがあったらって心配なだけ。
トラ:へえ……
でも心配しなくて大丈夫、こう見えてオレ結構強いよ!
トラ:それよりさ、これ見てよ!
彼は私の肩を軽く叩いて、手柄を見せつけるように飴細工を差し出す。
差し出された飴細工をよく見ると、虎の姿を象っており
後ろに振り向いて咆哮する姿はまるで生きているかのようだ。
無剣:凄い!本物みたい……
無剣:……ってそうじゃなくて!
私はトラちゃんが本当に心配で……
トラ:凄いだろ!草原でこんなの見たことないよ!
銀五両もかかったんだからな!
無剣:……え?五両?
私は驚きすぎて、開いた口が塞がらなかった。
深呼吸をして、
どうにか気持ちを落ち着かせてからトラちゃんに向き合う。
無剣:トラちゃん、いくら珍しくても、五両は高すぎるよ!
相手に言われた通りの値段を出したの?
トラ:いや、五両なんて言ってないよ。
譲ってくれた人はお釣り持ってなかったみたいでさ、
オレも急いでたし小銭も持ってなかったから、全部あげたんだ。
無剣:トラちゃん……草原での買い物は、いつも銀塊を丸々一本渡したりするものなの?
トラ:違うよ、オレたちは物々交換するだけ。
中原はそうじゃないって聞いたから、銀を持ち歩いてたんだ。
トラ:中原って本当に面倒だね
色んな大きさの銀を用意しなくちゃいけないから、馬車じゃないと遠くに出かけられないよ!」
無剣:トラちゃん……違うよ、中原では普段は銅銭を使うの……
それに銀鋏というものがあって、銀塊を小さく切るの……
無剣:遠くへ出かけるなら、銀票というのもあって……
トラ:わぁ、中原の人って頭がいいな、そんなにたくさん便利な方法があるんだ。
無剣:うん……だから飴細工に五両は高すぎるよ。余分なお金を返してもらわなくちゃ。
トラちゃん、買った場所を教えてくれる?
トラ:場所?荷物を担いであちこち歩き回ってたよ。
無剣:行商人だね!そうなると探すのは難しいな……
トラ:へえ~行商人っていうのか?
別に探さなくても良いよ、オレが気に入ったんだから。それだけで五両の価値があるってこと!
トラ:でも中原って草原と本当に全然違うな!
無剣:うん。だからこれからは一緒に市場に行こう。
中原にはたくさんの人がいるから良い人も悪い人もたくさんいるの。
あなたはこっちに疎いし、見分けるのはまだ難しいかもしれないから。
トラ:うん……それもそうだ。じゃあ今度からは付き合ってよ、ね?
行きたい場所も知りたいこともいっぱいいっぱいあるんだ!
無剣:もちろん!一緒に行こうね!
トラ:へへ、この飴細工も一緒に食べようよ!
無剣、先に食べてよ!
中原の果物
私たちは木陰の多い場所で休憩を取ることにした。
無剣:ぐぅーー
無剣:え?何の音?
トラ:う……オレの腹の音だ!
オレもうペコペコだ。みんな腹減ってないの?
無剣:私はまだ平気
何か食べ物を調達出来ると良いんだけど、町まで距離があるし近くに農家もないから……
トラちゃん我慢できそう?
無剣:だっ大丈夫だ!腹が減ってるだけだから、これくらい我慢できる!
ぐぅーー
そう言ったのも束の間、彼の腹は意義を申し立てるように、更に大きく鳴り響く。
無剣:……まずは食べ物を探そっか。
軽く辺りを見回すと、ふとある枝が目に入る。
陽射しが枝葉の間から差し込み地面を照らしている。私は落ちた影から桃の姿を捉えた。
無剣:あった!
見つけた桃をあっという間に平らげたトラちゃんは満足げに腹を撫でている。
周りには桃の種が地面にいっぱいに広がり模様を描いていた。
トラ:ぷはーー美味しかった。
いっぱいにはならないけど、もうこれで腹は鳴らないよ。
無剣:あはは、トラちゃんは桃大好きなんだね。
トラ:ん?この木の実は桃っていうのか?
無剣:そうだよ。大きくて甘いでしょ?
トラ:うんすっごく!でもあっちの木の桃は小さいんだな。
無剣:どれ?あ、それは桃じゃなくて、李だよ。
トラ:李?でも形は桃と一緒だよね!
無剣:まさか!大きさも色だけじゃなく、味もぜんぜん違うよ。
トラ:へえ~じゃあ、あれは?桃?李?
無剣:……あれは杏だよ。
トラ:無剣、中原って色んな木の実があるんだね。オレ見たことないや。
それに草原より美味しいものもいっぱいいっぱいあるよ!
無剣:トラちゃんたちは普段どんなものを食べているの?
トラ:へへ、実はね、草原にもうまいものがたくさんあるよ。
トラ:乳茶、チーズ、乳豆腐、羊のモモ肉の丸焼き、馬乳酒……
う~ん、思い出しただけで馬乳酒が飲みたくなってきたよ!
ぐぅーー
トラ:あれ、何の音だ?
無剣:う ……わ、私だ……
トラちゃんの話を聞いてたら、こっちまでお腹が空いてきちゃった。
トラ:うう、オレもだ……
トラ:早く出発しようよ!中原の食べ物がオレを待ってるんだ!
無剣:うんそうだね。でも、いつか私も草原の食べ物食べてみたいな。
トラ:任せて!剣塚とやらが見つかったら、オレと草原に来てよ、いっぱいおもてなしするからさ!
無剣:うん、約束だよ!
ぐぅーーぐぅーー
無剣:えっと……とりあえず食べ物探そっか…。
中原の親友
トラ:くらえーー!
トラ:絶対逃がさねぇからな!
トラ:ぐう……
無剣:トラちゃん!トラちゃん!
トラ:よかった……無剣……
無事……で……
無剣:トラちゃんーー
無剣:トラちゃんが怪我した、木の下で休んでいる。
私はきれいな川水を汲んで、彼の傷口を大事に洗う。
無剣:そろそろ洗うよ、我慢してね。
トラ:へへ、こんな傷、大草原の勇者にとってなんでもないよ!
無剣:うん……できるだけ優しくやるね。
水で柔らかい布を濡らし、傷口の周りについた泥をそっと拭き取る。
トラ:ぐうーー
無剣:痛い?
トラ:大、大丈夫だ!
無剣:……
動くときにゆっくりね、傷口をできるだけ触れないで、もっと早く治すために。
無剣:はぁ、面倒くさい。
無剣:それと、食べ物も注意しないと、治すのを妨げるものがあるから。
トラ:うん、わかった!今夜は焼いた羊肉で我慢するさ。
無剣:いけません!羊肉はだめ、絶対にダメ。
トラ:ああ……怪我をすると本当に面倒くさいな。
無剣:そうよ、美味しいものを食べられないし、好きなように遊べない、
だからこれからはもっと体を大切しなさい、怪我をしないように。
トラ:俺は大草原の勇者だ!死なんて怖くないぜ!
無剣:だからと言って、他人を救うために自分の命まで……
トラ:他人のためじゃない、お前のためだ。
お前は他人じゃない。
無剣:と、トラちゃん……」
少し赤くなった顔を上げ、
目に入ったのは彼の澄み切った瞳、いつものトラちゃんだ。
トラ:オレたちは、親友のために命をかけるんだ!
無剣:親……親友ね、うん、そうよね……
無剣:でも忘れないで、もし本当に命を落としたら、親友はきっと悲しむから。
無剣:だから親友に悲しませないためにも、ちゃんと自分を守らないと。
そうでしょう?
トラ:うん……そうだ。
トラ:わかった!言う通りにする、今日から親友のために、ちゃんと自分を守るよ。
無剣:うん!
中原への思い
いつものも天真爛漫で悩み知らずのトラちゃんだが、いきなりため息をついている。
無剣:どうしたの?なにかあったの?
トラ:はぁ……ちょっとな。
無剣:話してくれる?力になれるかも知れないよ。
トラ:うん……別に大したことじゃないけどね。
トラ:最近はな、美味しいものを見ても食欲がないんだ、ただただ焼いた羊肉を食べたいだけ。
トラ:それに馬車を見ると、馬を乗って思い切り走りたくて……
トラ:鷹を見ると、いつも側にいたチョウちゃんのことを思い出して……
トラ:蘭をみると、草原に覆い尽くす白い花を……
無剣:なるほど、トラちゃん、家が恋しんだ。
トラ:おお?いやいやいや、そうじゃないんだ。
トラ:家が恋しいなら戻ればいい、だけど……
無剣:だけど何?
草原には好きな食べ物があるし、馬を自由自在に乗れるし、
共に成長していた色々も……
そう言いながら、何故か悲しい気分が湧いてくる。
私は怖いのかも知れない、
彼がこのまま草原に戻ってしまい、もう二度と会わないかもしれないことが。
トラ:そうだよな。
家が恋しいなら戻ればいいんだ。
トラ:けどな、それが一番の問題なんだ。
無剣:問題?
トラ:草原にはオレの全てがある、
けど お前がいないーー無剣!
無剣:ん?
意外な言葉を聞いて、私はびっくりして彼を見つめる。
無剣:つまり……
トラ:つまり草原に戻るなら、
こうして毎日一緒に遊ぶことも、美味しいものを食べることも、その他のいろいろが全部できなくなっちゃう。
だから帰りたいが帰りたくない。
無剣:トラちゃん……
顔が燃え上がりそうだ。
トラ:無剣……草原に……一緒に行きたくないか?
トラ:オレは中原の何もかもが珍しいのように、
お前にとっては草原も同じだろう。
それを見たくないか?
トラ:お前は家が恋しいなら、オレが一緒に戻るよ……
無剣:そしてあなたが草原が恋しい時、また一緒に戻るね!
トラ:まじで!?
無剣:もちろん本当よ!
草原に着いたら、あなたが愛する風景を見に行ったり、好物を食べに行ったり、好きな花を一緒に愛でる、
それと、あなたの親友たちにも会ってみたい……
トラ:親友……たち?
無剣:そうよ、命をかけるほどの親友たち。
トラ:なに言ってんの?草原のみんなはオレの普通の友だちなんだけど。
トラ:親友はただ一人しかないぜ。
無剣:え?た、ただ一人……
トラ:そうよ、ただ一人!
いつもと変わらぬ爽やかな笑顔で、彼は私に手を差し伸べた。
同盟会話
◯◯のトラ:へへ、相撲は得意なんだ。
◯◯のトラ:草原では、オレよりずっとでかいやつだってオレには敵わなかった。
◯◯のトラ:やってみるか?内功は使っちゃダメだぞ。
◯◯のトラ:中原では色々草原で見たことないものも見つけた。
◯◯のトラ:しかし馬に乗って弓で鷹を射ることができるのは
◯◯のトラ:草原だけだな。
◯◯のトラ:中元に来てからは一回も砂漠へ帰ったことがないな。
◯◯のトラ:あの魍魎が横行するご時世じゃ、あいつらは砂漠まで流れてくるのかな?
◯◯のトラ:砂漠に住む人たちが心配だな…
判詞
二句目 桃李、杏子の美味に傾倒
三句目 絶品グルメを探すためにこの国に渡ってきたが
四句目 馬と草原がますます懐かしくなった
五句目 氷のような透き通った心を持つ友達
六句目 話がいつまでも終わらない
七句目 愁傷は眉から取り外し
八句目 故郷も異郷も楽しもう
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コメント
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・へへ、相撲は得意なんだ。
草原では、オレよりずっとでかいやつだってオレには敵わなかった。
やってみるか?内功は使っちゃダメだぞ。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
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